何が違う?エンディングノート・遺言書・遺書3つの違いを解説

2017-10-13

「最近、エンディングノートっていう言葉をよく耳にする」

「エンディングノートって書店でも見かけるけど、遺言書と何が違うの?」

こうした疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。「終活」がメディアで取り沙汰されるようになり、注目を集めています。そんな「終活」の一環として行われるのが、自分の気持ちや考えなど、遺志をまとめておくという作業です。その際に使われるのが、遺書や遺言書というものでしたが、最近登場したのが「エンディングノート」です。しかし、「3つの違いがわからない」や「どうやって使い分ければいいの?」と悩む方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は「遺書」「遺言書」「エンディングノート」の違いをご説明します。

・法的な効力を持つのが「遺言書」

「遺言書」の目的は主に自分の財産を遺族がどう分けたり処分したりするべきかを伝えるものです。いわば、遺産相続に関する指示書だとお考え下さい。遺言書には、遺言の内容を実現する法的効力が認められ、遺族や遺言執行者は遺言に従って遺産を分配・処分しなければなりません。法的効力を与えるため、民法によって形式が明確に規定されており、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つがあります。民法の形式に従わない遺言書は無効になります。

・自分の意思を伝えるのが「遺書」

遺言書とは異なり、「遺書」は私的な文書となります。遺書の目的は自分の気持ちや思いをまわりに伝えるのが目的だからです。家族や友人といった親しい人に向けて書かれることが多く、形式にも特に決まりはありません。パソコンで作ったものや映像でも構いません。なお、やはり自筆で紙に書くのが一般的だと思いますが、財産に関して遺言書の形式を備えていれば、遺言書としての法的効力も認められます。

・自分の死後知ってほしい情報を残すのが「エンディングノート」

「エンディングノート」とは自分がいなくなった後、まわりの人間に知ってもらいたい情報を載せておくものです。例えば、お墓や葬儀の方法、形見分けの指示など書いておく内容は多岐にわたります。実際に、何十ページにもわたるノートも珍しくありません。また、医療方法や延命治療の希望を書くこともできます。つまり、意思表示ができなくなった時への備えとしての役割も持っています。遺族はエンディングノートを見れば、故人の遺志がわかるので助かることでしょう。ただし、法的拘束力はなく、必ずしもノートの内容に従う必要はありません。

今回は「遺書」「遺言書」「エンディングノート」の違いについてご説明しました。簡単にまとめるとこのようになります。

        遺産の相続方法を指示する法的文書である「遺言書」

        自分の意思や思いを伝えるのが「遺書」

        自分の死後、遺族に知ってもらいたい情報を書くのが「エンディングノート」

ぜひご参照ください。