遺言の作成において注意すべき書き方と費用

2018-01-17

今回は遺言の作成において注意すべきこととして、書き方と費用の二つの面でお話しいたします。
 

◎遺言の書き方について

公正証書遺言は費用はかかるものの、公証役場で作成してもらうため、法律に定められた有効な要件や形式について安心できます。
一方で、自筆証書遺言は費用がかからず簡単である一方、要件や形式を充たしたものを作成することに注意を払わなくてはなりません。不備があったために、自筆証書遺言が無効になってしまう事例も多くあります。
 無効になった場合、自分の遺志が実行されない事態につながってしまいます。
自筆証書遺言の作成を検討されている方は方式をしっかりと理解しておくことが大切です。
 
まず、遺言の内容・日付・遺言者の署名の全てが自書である必要があります。
パソコンで作成したものや代筆してもらったもの、音声やビデオの映像での遺言は、効力は認められません。
 
次に、日付は作成日を明記し、署名は戸籍通りの姓名を記載して、印を押します。
書き間違いの修正や内容の追加は無効と判断される可能性がありますので、間違いのないように書き切りましょう。
 
遺言書は相続時の余計なもめごとを避ける目的があります。
あいまいな表現にせず、不動産は登記簿謄本通りに正確に、土地であれば所在地・地番・地目・地籍まで詳細に、預貯金は金融機関の支店名・預金の種類・口座番号まで、などと誤解の余地がない記載を心がけましょう。
遺言書で遺言執行者を指定しておくとさらに円滑に遺産分配が行われることでしょう。
 

◎遺言の作成にかかる費用について

遺言書には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。
このうち、自筆証書遺言につきましては自分自身で作成しますので特に費用はかかりませんが、公正証書遺言・秘密証書遺言につきましては、遺言書を公正証書にして公証役場で作成してもらいますので費用がかかります。
 
公正証書作成時の公証役場の手数料は、次のように定められています。
目的の価格が、
100万円までは5000円、100~200万円は7000円、200~500万円は11000円、500~1000万円は17000円、1000~3000万円は23000円、3000~5000万円は29000円、5000万~1億円は43000円1~3億円は5000万円ごとにさらに13000円加算、3~10億円は5000万円ごとにさらに11000円加算、10億円を超得る場合は5000万円ごとにさらに8000円加算、となります。
 
価額を算定することができない場合は500万円とみなして計算されます。
相続・遺贈額合計が1億円に満たないときは、上記金額に11000円を加算します。
なお、公証人が出張して公正証書を作成する場合には、目的価額による手数料が5割増しになり、規定の数万円の日当と旅費も負担することになります。
正本又は謄本の用紙代として1枚あたり250円がかかります。