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秘密証書遺言の作成の仕方

2017-11-30

遺言を作成したい方々の中で「出来れば生きている間は、その内容を誰にも知られたくない。」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような場合に利用できるのが、「秘密証書遺言」です。
 
この遺言は、内容を誰にも知らせずに秘密にしたまま、公証人に遺言書の存在のみを証明してもらう物です。
あまり利用されることはないのですが、一応、その使い方を知ってもらうため、今回は「秘密証書遺言」について、その作成方法をご紹介します。
 

■遺言書の作成

まずは、遺言者が自分で遺言書を作成します。
「自筆証書遺言」と異なるのは、手書きでなくワープロやパソコンで作成しても構わないというところです。また、「公正証書遺言」と異なり、遺言書の作成を一人で行えることも、この遺言の特徴の一つと言えるでしょう。
 
最後に署名と捺印、そして日付を入れるのを忘れないでください。内容はパソコンで作成できますが、署名は自筆である必要があります。
遺言ができたら、封筒に入れて封印をしましょう。その際には、遺言書に捺印した印をお使いください。
 

■遺言書の提出

次に、先ほど封をした遺言書を公証人と証人の2人以上の前に提出します。
この際、自己の遺言であることを申請し、氏名と住所と一緒に提出すれば申述が完了です。
 

■公証人が封筒を確認

公証人が、その遺言を提出した日付、遺言の申述内容を封筒に記載して署名と捺印をします。
その他にも、証人と遺言作成者本人も封筒に署名と押印をして、一連の手続きは終了です。
 

■家庭裁判所の検認

この遺言書の作成自体には、公証人が関与していないため、家庭裁判所での検認を行う必要があります。この際、秘密証書遺言は必ず封をされているはずです。検認の期日に、家庭裁判所で開封することになります。
 
 
いかがでしたか。
秘密証書遺言についての作成方法をお分りいただけたでしょうか。
作成段階では、自筆証書遺言や公正証書遺言よりも簡単なのがこの遺言の特徴ですが、家庭裁判所での検認が必要という点と、遺言内容自体に専門家が関与しないため、不備による無効の危険がある点で、あまり利用されないのかもしれません。
もし、興味がある場合には、たかの司法書士事務所にご相談ください。

遺言書の検認を行う前に知っておくべき3つのこと

2017-11-26

「親や親族の遺言書を預かっているけど、これからどのようにしたらいいかわからない。」
「噂で裁判所での検認が必要ということは聞いたけど、どのようなものかわからない。」
というようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃるでしょうか。
 
検認というのは、家庭裁判所において、その遺言書がたしかに本人によって作成されたものかどうかを、相続人が集まって確認する作業です。
裁判所と聞いて、ハードルが高い作業のように感じてしまうこともあるかもしれません。
 
その壁を取り除くためにも、今回は、裁判所で検認をする前に知っておくべき3つのことをみなさんにご紹介いたします。
 

■検認の目的

では、そもそもなぜ検認を行うのでしょうか。
第一の目的は、家庭裁判所と相続人とで、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付・署名を確認して、その遺言書が偽造されたものではなく、本当に有効性があるかどうかを証明するとともに、その時点からの変造を防ぐというものです。
第二の目的として、検認手続きを通して、相続人に対して遺言書の存在と内容を知らせることがあります。
検認手続きが無いと、相続人の一人が偽造した遺言書で、他の相続人の知らない間に名義変更などを行うことが可能となるので、それを防ぐことを目的としています。

注意が必要なのは、検認手続きは、遺言自体の有効・無効を判断するものではない事です。遺言自体の有効性に問題ある場合は、別に裁判などで争う事になります。
 

■検認が必要となる遺言書

遺言書の中には、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言という3つの種類があり、その中で検認が必要なのは、自筆証書遺言と秘密証書遺言の2つのみです。
 
公正証書遺言の作成方法をご存知の方はすでにお気づきかと思いますが、この遺言は作成時に公正役場の公証人と証人2人が立ち会いますので、偽造や変造の可能性がないため、検認の必要がありません。
 

■検認の流れ

検認の一連の流れは、遺言書を保管してる方が、遺言書検認の申立てをするところから始まります。
この申立ての先は、遺言者の最後の所在地を管轄する家庭裁判所であり、保管者の住所には関係がないため注意をしてください。
 
次に、家庭裁判所から、相続人全員に対して、検認の日を指定する「検認期日通知書」が送られてきます。検認期日に家庭裁判所へ行くか否かは各相続人の自由です。最低限、申立人一人が出席すれば手続きは進みます。
 
そして検認当日、無事に検認が終わると、裁判所からの「検認済証明書」が合綴された遺言書が返却されます。
この証明書には、「この遺言書は平成○年○月○日に検認されたことを証明する。」などという一文が付されています。
 
 
いかがでしたか。
少し理解しにくい部分があれば、お近くの司法書士などの専門家にご相談のうえ、大切な遺言書の手続きを進めてください。

一番確実な遺言、公正証書遺言の作成方法をご紹介します。

2017-11-22

遺言を作成しようかとお考えの方々にお勧めしたい、一番確実な遺言の残し方が「公正証書遺言」です。 
この公正証書遺言は、遺言者が公証人へ口頭で遺言の内容を伝え、公証人が遺言書を作成するというものです。
不備などが起きる可能性がない点が一番の魅力といえるでしょう。
今回は、そんな公正証書遺言の作成方法を細かくご紹介していきたいと思います。
 

■必要なものは?

この公正証書遺言に必要な書類は以下のようなものです。
・遺言者の印鑑証明書
・遺言者の戸籍謄本
・受遺者(もらう人)の住民票、戸籍謄本
・固定資産税評価証明書
・不動産登記簿謄本
 など
 
これらを揃えた上で、公証人と証人2人に、遺言の内容を口頭で話していきます。
このとき、未成年者や遺言者の推定相続人と受遺者、それらの配偶者や直系親族は証人となることができないのでご注意ください。
また、何らかの事情により口頭で話せない場合には、遺言者が筆談などを利用して、公証人に作成してもらうことができます。
 
しかし、自分で判断する意思能力を認められない者が遺言を作れません。そのような方は残念ながら、公正証書遺言に限らず全ての遺言を作成することができません(作成しても有効ではありません)。
 

■事前の準備が必要

いくら専門家である公証人とはいえ、突然書類を持参して来られてすぐにその場で作成するというのは困難です。そのため、遺言者は事前に遺言内容の打ち合わせを公証人とする必要があります。
 
そして遺言書作成の当日は、その内容を確認しながら読み合わせるという作業になります。
 

■遺言が作成できたら

証人の立会いのもと、公正証書遺言の内容を確認したら、遺言者と証人がそれぞれ署名と捺印をします。そして最後に、公証人が署名捺印して遺言書の完成となります。
 
ここで大事なのは、この遺言の原本が公証役場に保管されるということです。
これは紛失や改竄の心配がなく安心できるポイントです。
また、遺言者にはその正本と謄本が交付されます。万が一紛失してしまった場合、謄本を再発行してもらうことができます。
 
 
いかがでしたか。
公正証書遺言というのは、費用はかかりますが、遺言作成方法の中でも確実性では優れています。
その遺言の作成方法がこの記事を通してご理解いただけたら何よりの幸いです。
 
もし、こうした遺言を残すことに興味のある方は、ぜひ一度「たかの司法書士事務所」にお問い合わせください。

遺産相続の際に親の借金が判明した場合の三つの対処法

2017-11-18

「親が亡くなり、遺産を調べていたら借金のあることが発覚。これは自分が引き継がなければならないのか?」
同居していた場合はあまり無いと思いますが、別居していた場合には思わぬ負債が発覚することがあります。
親の借金は、生前は子には関係ないのですが、亡くなると相続により子が引き継ぐ事になります。

相続すべき遺産に借金が含まれていた場合にどのように対処すべきかについて正しい知識を持っておくことが重要になります。

今回は、親の借金についての三つの対処法をご紹介します。

◇対処法①:親が自己破産する

これは相続に至る前、親の生前に多額の借金があることが発覚した場合の対処法です。

裁判所で支払い不能の宣告と免責を受けることによって、返済義務がなくなるものです。相続人である子ではなく、借金のある親本人に行ってもらう必要があります。
ただし、自宅不動産を所有している様な場合は、これを手放す必要があり、手続きも複雑になりますので、個人再生や任意整理など他の方法も考える必要がでてきます。

◇対処法②:相続放棄する

相続放棄とは、相続人となる地位の一切を放棄するもので、マイナスの財産はもちろんプラスの財産も全て放棄することになります。そのため、明らかにマイナス分が多くなる場合には相続放棄の選択が有効です。

なお、相続放棄を選択する際に要注意なのは、申告期限です。「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内」というように法律上で定められています。できるだけ早く裁判所で手続きをしないといけないということを覚えておきましょう。

また、もう一つ要注意があります。親の借金の連帯保証人になっていた場合、相続放棄は無意味になります。親自身の負債の相続はしないものの、自分自身の保証人としての支払い義務は残るのためです。もし仮に連帯保証人になってまっていた場合は、金額などにもよりますが、相続放棄ではなく次の限定承認の方が使えるかもしれません。

◇対処法③:限定承認する

限定承認の制度は少し特殊で、遺産にマイナス分があったときに、マイナス分がプラス分を超えない範囲で引き継げるという相続の制度です。

マイナスの借金があり、プラスの財産があることはわかっているけれど、最終的にどちらが多くなるかがわからないという場合に有効です。

ただ、相続放棄は放棄したい相続人が単独で申し出ることが可能ですが、限定承認は相続人全員で申し出なければならりません。また、手続自体が結構複雑なため、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

いかがでしょうか。
いずれの対処法を選ぶ際にも、手続きをスムーズに行うために一度専門家に相談することをお勧めします。たかの司法書士事務所はいつでも相談料無料ですので、是非一度ご連絡ください。

遺言書を作成するべき4つのメリットを解説

2017-11-14

「自分の遺産相続で、兄弟や妻、息子に揉めてほしくない。」

「親の遺産のことで、揉めた経験がある。」

などといった理由で、自分の遺産相続について考えていらっしゃる方もいるかと思います。

そのような方に今回は、遺言によってもたらされる4つのメリットについてご紹介いたします。

 

1.遺産分割協議が難しい事が予想される場合には是非お勧めします

相続人の中に、行方が分からない者がいたり、長年連絡を取っていない前妻の子がいたり、子供がいないために妻と自分の兄弟姉妹が相続人になるものの不仲である、といったように遺産分割協議がスムーズにはいかない事が予想される場合があります。その場合、遺言書があれば問題なく相続手続きが可能になります。公正証書遺言であればよりスムーズにできます。本サイトの「遺言のすすめ」に、遺言書を遺しておくべき場合についてもう少し詳しく説明していますので、ご参照下さい。

 

2.相続手続きで第一に優先されるのは遺言です

遺産相続には3つの方法があります。1つ目は遺言、2つ目は相続人による話し合い(遺産分割協議)、3つ目は法定相続分による分配です。法律上、第一に遺言があればそれに従い、遺言が無ければ相続人による話し合いで決めるものとされています。相続人による話し合いがどうにもつかない場合に、はじめて法定相続分がでてきます。上記の様に遺産分割協議が難しいといった事情は無くても、相続人が何人かいれば話し合いに時間がかかったり多少は揉めたりもあるかもしれません。遺言書があればその内容通りに手続きを進めれば良いためスムーズにいくことも多いと思います。

 

3.相続人それぞれの状況などに応じて分配ができる

遺言書を残す際には様々な状況が考えられます。例えば、御子息3人に財産を引き継いでもらう場合でも、法定相続分の通り平等ではなく、生活に苦しそうな御子息には少し多めに、収入が安定している御子息には少し少なめにしたい、長男には家を建てる時に結構援助したので、他の二人は少し多めにしたいなど、遺言を残す方の意思を反映できるのです。そのため、相続人たちの現在の状況などを考え、遺産を分配する必要があれば、遺言書を残すべきです。

 

4.手間や負担を軽減できる

遺言書を残している場合だと、残されていない場合と比べて、相続の際に必要な手続きの負担を軽減できます。自筆証書遺言ではなく公正証書遺言であればかなり軽減できます。遺った妻も高齢になってるであろうから、できるだけ手続きの負担がかからない様にしたいとのお気持ちがある場合には、遺言書を残すことをおすすめします。

 

ここまで遺言書によってもたらされる4つのメリットについてご紹介いたしました。

遺言書を遺すことによって、家族の負担を軽減できたり、揉め事を起きにくくできたりします。そこで一度、遺言を遺すという選択を検討してみてはいかがでしょうか。

遺産相続で揉めないための兄弟での遺産相続の基礎知識

2017-11-10

「私は40代のサラリーマンで、自分の家庭を持っている。弟と二人兄弟で、両親はもう80歳を超えている。いつ何が起きるか分からないから遺産相続の際に相続人同士で揉めないように今のうちに準備をしておきたい」
このような境遇のかたは少なくないと思います。

遺産相続をきっかけに今まで仲の良かった兄弟関係が壊れてしまったという話を耳にすることがあります。相続は争族とも言われています。今回は遺産相続をスムーズに行うために必要な基礎的な知識についてお話します。

◇遺産相続人の基礎知識

まずは民法で定められた法定相続人についてお話します。

・被相続人の配偶者…常に相続人になります。
・被相続人の直系卑属(第一順位)…子です。養子や非嫡出子(婚外子)、胎児も含みます。
・被相続人の直系卑属(第二順位)…被相続人の父母です。父母がいない場合は祖父母です。
・被相続人の兄弟姉妹(第三順位)…兄弟姉妹が死亡している場合は甥、姪が相続人になります。

妻(配偶者)と子がいれば、妻と子が相続人です。子がいない場合に、第二順位の親が相続人となり、親も亡くなっている場合に、第三順位の兄弟姉妹が相続人になります。

◇兄弟間での遺産相続~被相続人の子の場合~

民法で法定された相続分は、配偶者が2分の1、子が2分の1となっています。子が二人兄弟の場合はそれぞれ均等に4分の1ずつになります。

ただし、第1に遺言書があればそれに従い、遺言書が無い場合、第2に相続人全員の話し合いで誰がどれだけ受け取るかを決めます。上記の法定相続分と違っていて全く構いません。どうしても話し合いがつかない場合に、上記の法定相続分によることになります。

◇兄弟間での遺産相続~被相続人の兄弟の場合~

兄弟とはいっても、被相続人に子がおらず、被相続人の兄弟姉妹が相続人になる場合もあります。その場合の法定相続分は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となっています。被相続人に二人の兄弟姉妹がいる場合は8分の1ずつになります。

 

◇3つの分割方法

分割する遺産は、預金・現金や有価証券だけではなく、不動産、骨とう品など分割が難しい資産もあります。相続人同士の話し合いの際にもどんな分割方法があるか知っておくことが大切です。

大きく分けると3つの方法があります。
現物分割、換価分割、代償分割の3つです。
具体的な分割の方法の内容は、長くなってしまうため、次回のコラムでお伝えしようと思います。

いかがでしょうか。
話し合いをスムーズに進めるためには、まずは基本を知るということが重要になってきますので、迷ったときは専門家に相談することをお勧めします。
たかの司法事務所ではいつでも無料相談を受け付けていますので、ご相談ください。

遺産相続をスムーズに行うために知っておきたい遺産の分割方法

2017-11-06

「両親が亡くなって遺産相続の手続きをしなければならなくなったけれど、土地や建物はどのように分割したらいいのか」などの疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか?

遺産相続の際に相続人同士で話し合いをする場合に、分割方法について知っておくことが大事になります。今回は遺産分割の方法についてご紹介します。

◇遺産分割の方法

遺産分割の方法は大きく分けて3つに分けられます。
・現物分割
・換価分割
・代償分割
財産の種類ごとに適切な分割方法で分けることでスムーズに手続きを進められます。

以下では、それぞれの分割方法についてお話ししていきます。

◇現物分割

遺産を分割する基本となる方法で、一番多く利用されている分割方法です。

不動産は姉に、預金は兄に、その他の財産は自分にというように、どの相続財産を誰が相続するのかを決めます。

なお、遺産分割についての話し合いがうまくいかず、とりあえず3人兄弟でそれぞれ3分の1ずつの共有という形にしておく場合もあります。ただこれを放置しておくのは、次の世代へ問題を先送りするだけになってしまい、余計にこじれてしまう可能性もあるため注意が必要です。

相続人の間で、それぞれが取得する財産の価格差が大きい場合は、以下の様に、一部の資産を売却してその代金で調整したり、多く相続した人が自己資金で調整したりします。

◇換価分割

遺産を売却して現金に換えたうえで、この現金を相続分に応じて分割する方法です。

この分割方法は、だれも住まなくなってしまった家と土地や、処分が容易な有価証券を相続した際に適しています。
また、現物分割では難しい各相続人の法定相続分をきっちり分割したい場合に便利です。

ただし、この場合、処分費用や譲渡所得税などをあらかじめ考慮して、分配金額を考えるおく必要があります。

◇代償分割

代償分割は、ある相続人が遺産を相続する代わりに、他の相続人に対して金銭を支払うという方法です。目ぼしい遺産としては、実家の土地と建物しかないが、相続人の一人が今も居住しているといった様に、現物分割(土地建物を3人の共有にするなど)も換価分割(売却する)もしにくい場合に適した分割方法です。

しかし、この方法には相続する人が相当の支払いをできる経済力が必要となります。例えば、土地や建物を長男が相続する代わりに、法定相続分に応じて、長女と次男にそれぞれに500万円ずつ支払うといったものです。

 

遺産の分割方法についてお分かりいただけましたでしょうか。
たかの司法書士事務所ではいつでも無料相談を受け付けておりますので、まずは相談してみるというのも一つの手です。お気軽にご連絡ください。

遺産相続対策~トラブルを回避するための生前にできる3つの準備

2017-11-02

「自分の死後にトラブルが起こってほしくない」「生前から準備しておきたいけれど何からやったらいいのか分からない」といったように将来の相続を心配される方も多くいらっしゃいます。

自分の死後、残された家族が自分の遺産の相続をめぐってトラブルになり、家族関係にひびが入ってしまうのはできる限り避けたいでしょう。今回はそんな相続トラブルを回避するための生前にできる事前準備についてお話しします。

◇生前の相続対策として挙げられる3つの準備

生前の相続対策は取り組み始めるのが早ければ早いほど効果的な対策をとることが可能です。

さらに、実際に相続が発生した際にかかる手間や費用を削減できます。ここでは、生前にできる相続対策の準備の方法を3つご紹介します。

・遺産分割対策…相続人の間で争いなく遺産を分割してもらうため。
・節税・納税資金対策…相続人が相続税を納税しやすくなるため。
・財産管理対策…認知症などになる前に財産管理の方法を決めておくため。

以上の3つが生前にできる相続対策です。ここからはそれぞれについて詳しくお話します。

◇遺産分割対策について

遺産相続は本来相続人同士の円満な話し合いによって決めるのが理想的です。
しかし、相続人の全員が納得するように遺産を分割するのは難しいことも多いのが実際です。

また、相続人ではない人に遺産を譲りたい場合や、特定の人には遺産を相続したくないという場合も考えられます。

そのような場合には、生前に遺言書を作っておくことで自分の希望を遺産相続に反映することができます。

◇節税・納税資金対策

相続税を節税する方法のひとつに、生前贈与の活用があります。年間で110万円を超えた贈与を受けた場合に、贈与税を支払う必要があります。毎年、110万円を超えない範囲で贈与していけば、生前に相続財産を減らすことで税負担を抑えることが可能です。

納税資金対策としては、相続税を納付する資金確保のために、すぐに換価しにくい不動産などを生前に売却して預金として遺しておくことや、生命保険を活用して財源対策を行うこともできます。

◇財産管理対策

高齢化に伴い心配になるのが認知症です。親が認知症になったのをよいことに、同居している子など相続人の一人が財産を自分のいいように処分したり消費してしまうなど、後に遺産分割の際に争いとなる事も増えている様です。

認知症になった場合に適切な財産管理を維持するための方法として成年後見制度があります。成年後見制度には、実際に認知症が進行してしまった後に家庭裁判所に後見人を選任してもらう法定後見の他に、自分が将来認知症になるのに備えて、あらかじめ信頼できる人を後見人とする契約をしておく任意後見契約制度があります。

いかがでしょうか。
より詳細な情報やその他の方法を知りたいという方は一度専門家に相談することをお勧めします。

たかの司法書士事務所ではいつでも無料で相談を受け付けていますので、気軽にご連絡ください。

遺産相続の時に役立つ相続税の基礎知識を

2017-10-29

「両親が80代にさしかかろうとしていて、いつ不幸ごとが起きるか分からない」
「今から遺産相続についての知識を蓄えておきたい」
ご両親が高齢になるにつれて、こういったことを考える機会が多くなるものではないでしょうか。

今回は遺産相続の際に必ず耳にする相続税についてお話しします。この機会に相続税についての基礎知識について理解しておきましょう。

◇そもそも相続税とは?

相続税とは、亡くなった人の財産を相続人が引き継ぐ際に支払わなければならない税金のことです。遺産の総額から基礎控除を引いた金額に対して、その金額に応じて10%~55%の割合で課税されます。

なお相続人でない方でも、遺言により遺産を譲り受ける場合にも発生します。

◇相続税の基礎控除

相続税には基礎控除があり、遺産の総額がこの基礎控除額を超える場合に、超えた部分についてのみ課税されます。

基礎控除の金額は、「3000万円+法定相続人の人数×600万円」です。相続人が妻と二人の子の3人であれば、4800万円になります。

遺産の総額がこの基礎控除額により低い場合(多くの方がそうです)は、相続税の申告をすることも必要ありません。

◇申告する際の基本的な手順

1.相続する遺産がどれだけあるか確認する。

遺産総額がいくらになるかの確認がまず必要です。現金や預金はそのままの金額でよいので簡単です。ただ、不動産については路線価格を使っての計算が必要で、家族で株式会社を経営している場合の非上場株の計算となると結構複雑になります。骨董品の収集家であった場合にもその評価がいくらになるのかすぐには計算できないでしょう。

遺産総額が明らかに基礎控除を超える場合のみならず、基礎控除を超えるか微妙な場合や、簡単には計算できない場合には、早めに税理士に相談することをお勧めします。

なお、葬儀費用や債務など相続財産からマイナスされるものは差し引いて計算します。

2.法定相続人の人数を確定させ、基礎控除の金額を算出する。

基礎控除は上でご説明した通り「3000万円+法定相続人の人数×600万円」なので法定相続人の人数を確定させなければなりません。

法定相続人の人数は、被相続人の戸籍謄本を出生から死亡まですべてを取得して養子や婚外子も含めて確定させます。稀にではありますが、家族が知らない婚外子が戸籍収集で発覚するという事も実際あります。

3.相続財産から基礎控除の金額を引いて相続税を計算する。

相続財産の金額と基礎控除の金額が決定したら、相続財産から基礎控除を差し引きます。マイナスになる場合は相続税の申告も必要ありません。

プラスになった場合、必ずしも相続税が課税される訳ではありません。配偶者控除や、小規模宅地の軽減措置を受ける結果、課税はゼロになる事も多くあります。この場合は結果的に課税が無くても相続税申告じたいは必要ですので注意が必要です。

いかがでしょうか。
相続税の申告が必要な場合は、相続が発生してから10か月以内に申告しなければなりません。
より詳しい内容について、本サイトの別ページにも記載しておりますが、個別的な実際の試算になると税理士に相談されることをお勧めします。

遺産相続の話し合いが始まる前にしておくべきこと

2017-10-25

「両親がなくなり、遺産相続について話し合いをしなければならなくなったけれど何をどのように準備をしたらよいのか分からない」
上記のような不安をお持ちの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は遺産相続の話し合いを始める前にしておくべきことについてお話します。

◇遺産相続の話し合いが始まる前にしておくべきこと

遺産分割協議を始める前に確認しておくべきことがあります。それは
・遺言書の確認
・相続人の確認
・相続財産の確認
の3つです。この3つの点を確認しておくことが遺産相続の話し合いをする際に重要になります。

◇遺言書の確認

遺産がどう処分されるかについては、遺言があれば、それに従うことになります。故人の意思が第一に優先されます。そのため、まずは遺言書が残されているかが重要になります。

亡くなった方の部屋を探しても遺書がなかった場合、生前に親しかった法律家がいるなど、心あたりのある方に尋ねるのもいいでしょう。

注意点ですが、もし自筆の遺言書が見つかり、封印をしている場合は開封してはいけません。開封せずに家庭裁判所に検認の申立てをして、検認日に家庭裁判所で開封します。事前に開封してしまった場合には過料の対象となります。

◇相続人の確認

遺産相続の話し合いは必ず相続人全員でする必要があります。

もし相続人が一人でも足りない状態で話し合いをした場合、その話し合いはすべて無効になります。
したがって、遺産相続の話し合いをする際には相続人が全員いるかを確認しなければなりません。

確認のためには、亡くなった方の戸籍を生れた時から死亡したときまですべて収集する必要があります。戸籍にはその人が結婚した、離婚した、子供がいたなどの記録がすべて残っています。家族が知らない婚外子が発覚したり、再婚前に子供がいたことを知らされていなかったりということも実際にあります。その場合には、その子も含めて話し合いをする必要があります。

◇相続財産の確認

遺産相続の際に相続する遺産がどれだけあるのかがわからなければ、話し合いのやりようがありません。そのため、遺産相続の話し合いをする前に相続遺産がどれだけあるかを確認しておきましょう。

家や土地は権利証や固定資産税納税通知書で、銀行預金や郵便貯金は預金通帳等で、株などの有価証券は証券会社の残高証明書等で、自動車は中古車価格査定をとって、貴金属類は取引実例価格で、借金はお客様控えや返済予定表等で確認します。

また、生命保険は保険証券や契約書控えでも確認しましょう。

いかがでしょうか。
遺産相続の話し合い前にしておくべきことについてざっくりですがお分かり頂ければ幸いです。

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