遺産分割による名義変更登記

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相続が発生して、不動産の名義変更登記をする場合、相続人全員で誰の名義にするか遺産分割協議をしてから、「相続」を原因とした登記をするのが通常です。まれに、いったん暫定的に「相続」で相続人全員の名義に登記をしてから、後に「遺産分割」を原因として名義変更登記をする場合があります。
この場合について、下記の2通りがあり、それぞれで税務上の扱いが異なりますので注意を要します。

こちらに載っていない事や、載っているけどよく分からないといった場合には、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。些細な事でも気軽にご相談して頂ける様に、相談はいつでも無料にしています。

1.いったん法定相続分で登記をした後の、遺産分割による登記

相続人間で遺産分割協議でもめてしまい、裁判になって長期にわたって名義変更ができない事が予想される場合に、不動産についていったん法定相続分で名義変更登記をする場合がまれにあります。いずれ遺産分割協議が調った時に、結局その不動産を取得しなくなった者から取得する事になった者へ、「遺産分割」によって所有権(持分)移転登記をする事になります。

2回分の登記費用がかかるため、遺産分割協議が調うまで登記はしないでおくのが通常です。ただ詳しい事情はあえて聞いていませんが、何度か、いったん法定相続分で登記していたものを、やっと遺産分割ができた、遺産分割調停が終わったなどで、登記の依頼を受けたことがあります。

また、相続人の一人が税金を滞納していて、不動産の登記事項証明を取って見たら、税務署が「代位」して相続人全員の名義に法定相続分で登記をして、滞納者の持分を差押える登記をしていた、というのもあります。私も何度か経験があります。「代位」とは、債権者などが差押などの必要がある時に、本人に代わって登記をすることを言います。本人の承諾などは不要です。

いずれにせよ、例えばABCで3分の1ずつの法定相続分でいったん登記がされてた後に、遺産分割でAのみがこの不動産を取得すると決まった場合には、「遺産分割」によってBC持分全部をAに移転する登記をすることになります。ABC名義の登記をいったん抹消してAへの登記をやり直すのではありません。

2.遺産分割協議のやり直し

前記 1 の、法定相続分で登記した後に遺産分割で登記をする場合、と似て非なるものに、遺産分割協議のやり直しがあります。私も過去に2、3度相談を受けた事があります。遺産分割協議がなかなか終わらなそうなので、いったんABC3分の1ずつの持分(法定相続分と同じ)で遺産分割協議書を作って登記をして、その後Aだけが取得する事でようやく協議ができたという場合です。

前記 1 では遺産分割協議は1回しかしていません。今回はとりあえずの協議とはいえ、2回協議書を作っています。

この場合、登記では前記の場合と同じく、「遺産分割」によってBC持分全部をAに移転します。しかし税務上は、相続手続は1回目の協議で終わっており、2回目のやり直しでBCの持分をAに移転するのは、相続ではなく「贈与」であるとして贈与税の対象になります。またAに不動産取得税もかかる事になります。

そのため、安易に遺産分割による登記をすると、後日、税務署から多額の贈与税納付通知書が届く事になりますので、気を付ける必要があります。この相談を受けた場合、私は以上のような説明をして、やり直しの登記はしない事をお勧めしています。

 

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