相続法改正~寄与分についての変更

2018-08-08

■はじめに

今年2018年の3月13日に、財産相続に関わる民法改正法案が閣議決定されました。国会で成立すれば40年ぶりの改正ということで、注目を集めています。

ただ、一般市民の目からすれば、改正が40年ぶりだということより、具体的にどう影響を受けるのかが気になりますよね。

今回は、その中で寄与分についての変更をご紹介します。

 

■寄与分とは

寄与分については民法904条の2に規定があります。共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、その寄与した金額を上乗せして具体的相続分を受けられるというものです。

これは、あくまで「相続人」でなければ受けられません。そのため、自営業を営む親に介護が必要となったが、遠くに居住する子供達が誰も親の面倒を見ず、近くに住んでいた兄弟姉妹が事業を手伝ったり介護したりで財産の維持増加に寄与したことが認められても、現行法ではその寄与に応じる相続財産の分配方法はありません。

 

■新たな寄与分が主張できる

このような場合に、相続法改正案では、寄与が認められる「親族」が、相続人に対して、特別寄与として金銭請求できる制度の創設を提案しています。

ただし、親族(6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族)に限られていますので、親族でない者、例えば内縁の妻やその連れ子(養子縁組していない)などは、今回の改正の対象外となっていますのでご注意ください。